
Instagram・ホットペッパービューティー・Googleビジネスプロフィール・サロンのホームページなど、集客に直結する美容サロン・ヘアサロンの写真を、スタッフが自分で撮るためのポイントをまとめました。機材を新たにそろえなくても、スマートフォンとちょっとした準備で、かなりレベルの高い写真が撮れます。
写真の仕上がりに最も大きく影響するのは、撮影前の店内整理です。ワゴン・タオル・コード類・不要なポスターなど、生活感が出るものは事前にフレーム外へ片付けましょう。撮影エリアが「サロンとしての清潔感とプロ意識」を伝える状態になってから撮影を始めることが大切です。
撮影の前に、スマートフォンのレンズを柔らかい布でサッと拭くひと手間も忘れずに。スタイリング剤や指紋でレンズが曇ると、どれだけ光や構図を工夫しても写真がぼんやり仕上がってしまいます。
ヘアスタイルを撮影する場合は、施術後の最後にスタイリングをしっかり整えてから撮影に入りましょう。髪に少しウェット感やツヤを加えると、写真でも髪質・仕上がり・技術が伝わりやすくなります。
写真の仕上がりは「光」で8割決まると言っても過言ではありません。
自然光が入る窓際での撮影が最も美しく仕上がります。モデルに対して窓が斜め45度になる「半逆光・斜光」の位置関係が、髪のツヤ・ボリューム・立体感を最もきれいに引き出します。自然光が柔らかく使いやすい時間帯は、おおむね昼10〜15時です。朝は光が強くコントラストが出やすく、夕方は赤みやオレンジが混じりやすくなります。
気をつけたいのは「ミックス光」です。窓からの自然光(青白い光)と店内の照明(電球色のオレンジ光)が混ざると、色味が不自然になります。可能であれば、どちらかの光に統一して撮影しましょう。太陽光がきれいに入り込む時間であれば、室内の暖色系の照明をすべて消してしまうのも一つの方法です。ただし照明を消すことで店内の雰囲気が損なわれないかどうか、事前に確認した上で試してみてください。
天井のダウンライトの真下での撮影も避けましょう。頭上からの光が強いと、顔や髪に不自然な影(目の下・鼻の下)ができてしまいます。立ち位置を少しずらすだけで改善できます。
ズームを使わずに近づいて撮ると、広角レンズの影響で顔や頭の形がゆがんで写ります。被写体から2〜3m程度離れた位置からズーム2〜3倍で撮影すると、見たままの自然な形で仕上がります。
画面上でピントを合わせたい部分をタップして、横に出てくる太陽マークを少し上にスライドすると、顔や髪の透明感が出て明るくきれいに仕上がります。逆光気味の環境では、露出が暗く沈みがちなので特に意識してみましょう。
ポートレートモードを使うと背景が自然にぼけて、ヘアスタイルが際立つ写真になります。HDRモードをオンにしておくと、明暗差が激しい環境でも白飛び・黒つぶれを防いでくれます。
スマートフォンの設定でグリッド線(画面を9分割する線)を表示させ、4本の線が交差する「交点」のいずれかに見せたいポイント(顔・ヘアスタイルなど)を配置すると、自然にバランスのよい構図になります(三分割法)。
また、後からInstagramのサイズ(1:1や4:5など)に合わせてトリミングできるよう、撮影時は被写体の周りに少し余白を残しておくと便利です。

ヘアスタイルを記録・発信する写真では、正面・サイド・バックの3方向を撮っておくと、スタイルの構成・ライン・バランスが十分に伝わります。正面は顎をやや引いてもらい、肩を下げた状態で撮ると首が長く見えてスタイリッシュな仕上がりになります。サイドは頬・耳・顎のラインと髪のボリュームを強調します。バックは髪の長さ・カール・ライン・スタイリングのバランスを見せることが目的です。
1カットだけ撮るのではなく、同じ構図・角度で10〜20枚程度連写してから、後で一番きれいな1枚を選ぶのが確実です。「では撮ります」と声をかけてから撮ると表情が硬くなりがちなので、会話しながら自然なタイミングでシャッターを切る方が自然な表情が引き出せます。
ビフォーアフターの信頼性は「同じ条件で撮れているか」にかかっています。同じ場所・同じ椅子・同じ背景・同じライティング・同じアングル・同じ距離で撮ることが基本です。
ビフォーは施術直前、アフターは施術直後に撮影します。できれば同じ時間帯(昼10〜15時)に撮ると、光の変化が最小になり比較しやすくなります。正面・サイド・バックの3方向を揃えて撮っておくと、仕上がりの変化が最もわかりやすく伝わります。
SNSへの掲載では「左右並び」「上下並び」が一般的です。ビフォーアフターにはキャプションで施術内容(カット・カラー・縮毛矯正・パーマなど)を添えると、見た人に伝わるメッセージが格段に明確になります。
50mm〜85mmのポートレート向きレンズが、ヘアスタイル写真に最も向いています。F1.4〜F2.8程度に絞りを開放すると、背景がきれいにぼけてヘアスタイルが際立ちます。
明るいサロンではISO100〜200、少し暗い環境ではISO400〜800を目安にしましょう。手ブレを防ぐにはシャッタースピード1/125〜1/200秒以上を維持してください。
お客様を撮影する場合は、SNSやホームページへの掲載について必ず事前に確認を取りましょう。顔出しの可否や使用媒体(Instagram・ホームページ・採用・広告など)を明示した上で同意を得てください。
撮影中はポジティブな声かけを意識しましょう。「カラーの透明感がきれいですね」「とてもお似合いです」など褒めながら撮影すると、お客様がリラックスして自然な表情や姿勢になりやすいです。ポージングの指示は「顎を少し引いてみてください」「右肩を少し下げてみましょう」など、具体的で短く伝えると伝わりやすいです。
【経歴】 1987年、広島県生まれ。2006年より報道の現場で活動を開始し、政治・社会・経済ニュースの取材撮影に従事。これまでに1万人以上のタレント・著名人を撮影。2014年10月、ビジネス撮影に特化した写真事務所「deltaphoto」を設立。2017年4月、株式会社デルタクリエイティブとして法人化。現在は、これまでの経験をもとに「ビジネスにおける写真の価値」を再定義し、撮影現場のディレクションおよび品質管理に専念。あわせて、同社プラットフォームを通じて「プロフェッショナルの技術」と「ユーザーの想い」を繋ぐ活動に注力している。
【主な撮影・ディレクション実績】(順不同・敬称略)グーグル合同会社 / 三菱商事株式会社 / ボストン・コンサルティング・グループ / 株式会社NTTドコモ / 東京地下鉄株式会社(東京メトロ) / 日本テレビ放送網株式会社 / 株式会社サイバーエージェント / 株式会社集英社 / 株式会社ソニー・ミュージックレーベルズ / 経済産業省 / 東京大学 / スペイン大使館 ほか多数