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企業イベントの撮影方法とコツ|広報担当者向け記録写真の撮り方ガイド

企業イベントの撮影方法とコツ|広報担当者向け記録写真の撮り方ガイド

社内イベント・式典・懇親会などの記録写真を社内スタッフが撮影するケースは多くあります。適切な準備と撮影の基本を押さえるだけで、記録として十分使える写真を安定的に撮ることができます。この記事では、企業の広報担当者や広報に関わる社員が社内外のイベントを撮影する際に知っておきたいコツと方法を解説します。スマートフォンでも一眼レフカメラ・ミラーレスカメラでも実践できる内容です。

撮影前の準備

タイムスケジュールの把握とシミュレーション

イベント撮影で大きく差がつくのが事前準備です。タイムスケジュールを事前に入手し、どのシーンでどのような写真が必要かをあらかじめシミュレーションしておくと、当日の撮影が格段にスムーズになります。

可能であればリハーサルへの参加を強くお勧めします。本番前に会場の明るさ・スタッフの動線・登壇者の立ち位置などを把握しておくことで、「このタイミングでは右側から狙おう」「この場面は広角で引いて撮ろう」といった判断が自分の中でできるようになります。ぶっつけ本番では対応しきれないシーンも、準備していれば落ち着いて撮影できます。

また、会場の下見ができる場合はロケハンも行いましょう。光源の位置・背景になる壁や看板の色・撮影の邪魔になる柱や機材の有無などを確認しておくと、当日の動き方が変わります。

機材の準備

イベント撮影では「撮り逃しのリスク」が最大の敵です。スマートフォンでも撮影できますが、ミラーレスカメラがあると暗い会場でもノイズの少ない写真が撮れます。バッテリーは満充電のものを複数本、SDカードも余裕を持って準備しましょう。

使用媒体の想定

撮影を始める前に、「この写真は最終的にどこに使うのか」を明確にしておきましょう。広報誌・社内報なのか、プレスリリースや自社Webサイト用なのか、SNS投稿用なのかによって、求められる構図やアングルが異なります。

外部に公開する素材(ウェブサイト・プレスリリース・メディア向け)を想定するなら、映り込む背景・スタッフの服装・会場の整理状況なども確認したうえで撮影するとよいでしょう。外部の人が見たときに「どんな企業か」が伝わる写真になっているかを常に意識してください。

もうひとつ重要なのが横位置で撮影することです。スマートフォンで撮影していると縦位置になりがちですが、ウェブサイトや広報誌・プレスリリースのほとんどは横長レイアウトが前提です。縦位置の写真はトリミングが必要になったり、使用できる場面が限られたりするため、基本的には横位置での撮影を徹底しましょう。

参加者への撮影告知と肖像権への配慮

イベントで写真を撮影する場合、参加者への事前告知が必要です。当日の司会アナウンスや受付時の案内で「本日は記録用の写真撮影を行います」と伝えることで、参加者が心理的に準備できます。撮影した写真をウェブサイト・SNS・広報資料等に使用するのであれば、その旨も告知に含めておきましょう。

告知の文例:

本イベントでは記録・広報目的で写真撮影を行います。撮影した写真は自社ウェブサイトおよび広報資料に使用する場合がございます。撮影をご希望でない方はスタッフまでお申し付けください。

参加者の中に撮影NGの方がいる場合は、目印(リボン・シール等)を付けてもらうか、写りにくい席に案内するなどの工夫を事前に準備しておきましょう。撮影担当者に事前に共有しておくと、当日慌てずに対応できます。

当日の撮影

カメラマンに徹して最前線で撮影する

広報担当者として撮影を担当するとき、ついイベント参加者としての遠慮が出てしまい、後ろや端から撮ってしまうことがあります。しかし、遠くからの撮影では使える写真はほとんど撮れません。イベントが終わって写真を見返したとき、「使える写真が一枚もない」という状況は、遠慮して撮影していた結果であることが多いです。

撮影中は「自分はカメラマンである」と割り切り、最前線に出て撮影しましょう。その際、イベントの進行や他の参加者の視線を遮らないよう、非撮影時は身をかがめるなどの気配りも忘れずに。

記録写真として最も重要なのは、説明がなくても何をしている写真かがわかることです。例えば、表彰式なら「誰かが何かを手渡している」ことが一枚の写真で伝わるように、渡す人・受け取る人・その表情・そして周囲の反応までが収まる構図を意識しましょう。プレゼンの写真なら、スライドと登壇者と聴講者の反応が同時にわかる引きのカットが価値を持ちます。

ポジショニングとタイミングを意識する

イベントの流れを事前に把握し、各シーンで最適な立ち位置に先回りすることがイベント撮影のコツです。登壇者の前45度のポジションは表情と会場の雰囲気を同時に切り取れるベストポジションです。連写機能を活用し、笑顔・受賞の瞬間など撮り逃したくないシーンを安全に捕捉しましょう。

シャッターは枚数を惜しまない

撮影に慣れていない広報担当者がまず意識すべきことは、枚数を惜しまないことです。イベント写真でハイポーズ・ハイチーズのような場面ではない限り、被写体が複数人いれば必ず誰かが目を閉じていたり、表情が崩れているカットが出てきます。だからこそ、ここぞというタイミングでは連写を使ってたくさん撮るのが基本です。

ただし、スマートフォンでの撮影は連写時にシャッター音が連続して鳴ってしまうため、場の雰囲気を読むことが必要です。静粛な場面では連写を控え、歓談・表彰・拍手など音が自然な場面を狙いましょう。なお、最近のスマートフォンには静音撮影モードや振動のみに設定できる機種もあります。そうした機能を活用すると、静かな場面でも連写しやすくなります。

闇雲に撮り続けるのではなく、要所要所で撮れているかを確認しながら進めることも大切です。撮影した中から一枚でも使える写真があればよい、という気持ちで、左右さまざまな角度・アップと引きのカットをバリエーション豊富に撮影しましょう。

暗い会場でのカメラ設定

室内の暗い会場では、ISO感度を1600〜3200程度まで上げることで明るい写真が撮れます。機種によっては6400まで上げることで明るさをさらに補える場合もあります(ノイズが許容できる範囲で調整してください)。シャッタースピードは手ブレ防止のために1/60秒以上、動きのある被写体は1/125秒以上を目安にしましょう。F2.8以下の明るいレンズがあると、会場照明だけで撮れる場面が大幅に増えます。

フラッシュの直当ては避ける

一眼レフカメラ・ミラーレスカメラに内蔵フラッシュや外付けストロボを直接被写体に当てると、光が硬く「べたっとした」仕上がりになりやすく、背景が不自然に暗くなるという欠点があります。光の扱いに慣れたプロカメラマンであればフラッシュを使いこなすことができますが、撮影経験が少ない広報担当者にとってフラッシュのコントロールはハードルが高いです。

撮影経験が少ない方や、光のコントロールが難しいと感じる場合は、まずフラッシュを使わない撮影を基本にすると失敗を減らすことができます。屋外イベントは十分な光量があるため不要ですし、屋内でも最近の一眼レフ・ミラーレスカメラは高感度耐性(ISO性能)が高く、会場の照明だけでも十分きれいに撮影できます。ISO感度を上げてもノイズが気になるようであれば、明るいレンズ(F値が低いもの)の使用を検討してください。

それでも暗くてどうしても撮れないという状況が発生する場合は、プロのカメラマンに依頼してプロ機材で撮影してもらうことを検討する段階です。

写真だけで一日の流れがわかるようにする

イベント記録写真として最も価値が高いのは、撮影した写真を見るだけで当日の流れが時系列で把握できるものです。登壇者の顔写真だけが大量にあっても、記録としての機能は十分ではありません。

意識して撮影したいシーンをいくつか挙げます。

  • 開場前の会場全景・看板・受付の様子
  • 参加者の受付・入場シーン
  • 各プログラムの登壇者・スピーカー
  • それを聞いている参加者の反応・表情
  • 表彰・授賞・拍手などの感情が動く瞬間
  • 懇親会・交流タイムの自然なカット
  • 裏方スタッフの様子・準備の風景
  • 閉会・退場シーン

登壇者ばかりでなく「見ている人」「動いているスタッフ」の写真も混ぜることで、そのイベントの熱量や規模感が写真全体から伝わるようになります。最低限として、会場全景・登壇者の表情・参加者の反応・公式集合写真・懇親タイムの自然なカットの5種類を意識しておきましょう。この5種があれば社内報・プレスリリース・SNSのほとんどの用途に対応できます。

撮影中のデータ削除はしない

撮影中に「失敗した」と思ってその場でデータを削除する人がいますが、これは避けましょう。理由は大きく3つあります。

1つ目は、シャッターチャンスを逃すリスクがあることです。削除という作業に集中している間に、大切な瞬間が過ぎ去ってしまいます。

2つ目は、一眼レフカメラでのデータ削除はSDカードから完全に消えるということです。スマートフォンなら「最近削除した項目」として一定期間復元できるケースもありますが、バックアップ設定なしで一眼レフカメラのSDカードから削除したデータは基本的に戻りません。

3つ目は、撮影中に「失敗」と思った写真が、後からパソコンの画面で確認すると使えるカットだったというケースが多いことです。カメラの小さな液晶画面では判断が難しく、ピンぼけや露出のズレも大画面ではわからないことがあります。

撮影というタスクをこなしながら並行してセレクト・削除を行うのは認知的な負荷が高く、どちらのクオリティも落ちます。セレクト作業は撮影が全部終わってから、落ち着いた状態で行いましょう。

撮影後の処理

セレクトと簡単なレタッチ

撮影が終わったら、まず全カットをパソコンの画面で確認してセレクト作業を行います。カメラの小さな液晶では気づかなかったピントや表情の確認が、大画面ではっきりとわかります。

レタッチ(写真の補正)は、広報用途であれば「正しく伝える」ための補正を行います。具体的には次の3点が基本です。

  • 明るさ(露出)の調整:会場照明により暗く沈んでいる顔や商品を適切な明るさに整える
  • 色味(ホワイトバランス)の補正:蛍光灯や白熱灯の影響で黄みがかったり青みがかった色調を中立に戻す
  • トリミング:使用媒体(横長Web・正方形SNS・縦長ストーリー)に合わせて切り出す

肌を過度に加工したり、背景を不自然に消したりするのは信頼性を損ねるため注意が必要です。社内でどこまでの加工を許容するかをルール化しておくと、担当者が変わっても品質が安定します。

撮影料金、すぐにわかります。

この記事を書いた人

【経歴】 1987年、広島県生まれ。2006年より報道の現場で活動を開始し、政治・社会・経済ニュースの取材撮影に従事。これまでに1万人以上のタレント・著名人を撮影。2014年10月、ビジネス撮影に特化した写真事務所「deltaphoto」を設立。2017年4月、株式会社デルタクリエイティブとして法人化。現在は、これまでの経験をもとに「ビジネスにおける写真の価値」を再定義し、撮影現場のディレクションおよび品質管理に専念。あわせて、同社プラットフォームを通じて「プロフェッショナルの技術」と「ユーザーの想い」を繋ぐ活動に注力している。

【主な撮影・ディレクション実績】(順不同・敬称略)グーグル合同会社 / 三菱商事株式会社 / ボストン・コンサルティング・グループ / 株式会社NTTドコモ / 東京地下鉄株式会社(東京メトロ) / 日本テレビ放送網株式会社 / 株式会社サイバーエージェント / 株式会社集英社 / 株式会社ソニー・ミュージックレーベルズ / 経済産業省 / 東京大学 / スペイン大使館 ほか多数

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