
株式上場(IPO)セレモニーは企業の歴史に刻まれる節目です。プレスリリース・社史・投資家向けIR資料など、長期にわたって使用される写真だからこそ、事前準備を徹底しておく必要があります。
セレモニー本編は企業によっては20〜30分程度で終わることもあるほど短時間です。次々とシーンが切り替わり、撮り直しは一切できません。こうした特性を理解したうえでカメラマンに依頼することが、撮り逃しゼロにつながります。
セレモニー単体は短時間ですが、上場当日は朝からIR活動・メディア対応が続きます。以下の時間帯はあくまで参考例であり、上場市場(グロース・TOKYO PRO Market など)や企業の状況によって大きく前後します。実際のスケジュールは幹事証券会社と確認してください。
カメラマンに依頼する際は、セレモニー本編だけでなくストックボイス出演・記者会見・パーティーまで含めた拘束時間で相談しておくと、当日のストーリーを一貫して記録できます。
コロナ禍を経た2023〜2025年時点で一般的に行われているセレモニーの流れは以下の通りです。企業・上場市場(グロース/TOKYO PRO Market等)によって細部は異なりますが、大きな流れは共通しています。
以下は当社が作成した上場セレモニーのダイジェスト映像です。この動画をご覧になることで当日の動きがよく分かるかと思います。
東証エントランス(東京都中央区日本橋兜町)に全員が集合し、会場に入るセレモニー参加者と、2階回廊から見学する見学者に分かれて誘導されます。(ロビーは現在撮影ができなくなりました)
コロナ禍以降、会場内への入場には人数制限が設けられており、参加者枠は20〜30名程度、回廊見学者も同程度という上限が複数の企業レポートで確認されています。社員・家族・関係者が多い場合は、役職や関与度をもとに抽選や割り振りを行う企業が多いです。
エントランスのアトリウムやアローズ内のリング状電光掲示板(ティッカー)には「祝上場 〇〇(会社名)」というメッセージが流れます。この瞬間もカメラマンに撮影してもらうと、当日の記録として価値の高い一枚になります。

2階にある「アローズ オープンプラットフォーム」へ移動します。2階回廊にいる見学者は、ここから下を見下ろしてセレモニーを観覧できます。
この場面は動きがゆっくりで撮影しやすいシーンですが、カメラマンの立ち位置によっては東証役員や背景の映り込みが変わります。事前に立ち位置を打ち合わせておきましょう。

電光掲示板(ティッカー)や大型スクリーンの前で記念撮影を行います。自社ロゴ入りの「特製パネル」や「横断幕」を持参する企業も多く、IR資料・プレスリリース・SNS用の主力カットになる場面です。
パネルや横断幕のサイズと内容を事前にカメラマンへ共有し、縦・横・全体・バストアップなど複数の構図で撮影しておくことをお勧めします。

セレモニーのメインイベントです。「五穀豊穣(ごこくほうじょう)」に由来し、必ず5回鐘を打つのが東証の伝統です。

打鐘後、代表・幹部・社員が一緒に自由に撮影できる時間が設けられます。メディアカメラマンもこのタイミングで動くことが多く、依頼カメラマンとのエリア調整がここで重要になります。セレモニーの公式プログラムはここで終了です。
複数の上場企業のレポートから、実際のタイムラインが確認されています。
東証上場セレモニーはコロナ禍を経て、以下のルールや運用が定着しています。カメラマンへの依頼と事前準備に直接影響する内容です。
以前のように大人数で会場に入ることは想定されておらず、セレモニー参加者20〜30名+回廊見学者20〜30名という構成が標準化されています。「社員全員で東証に行く」ことはできない前提でスケジュールを組む必要があります。
以前は自由に入れたエリアでも、現在は入場制限・撮影制限が設けられているケースがあります。カメラマンを依頼する際は撮影可能エリア・入館手順・機材持ち込みの制限について、幹事証券会社や東証の案内担当者に事前確認のうえ、その情報をカメラマンへ共有してください。
東証がストックボイスのライブ中継・アーカイブを提供しているほか、企業側でも遠隔地の社員向けにセレモニーのオンライン視聴枠を設けるケースが増えています。撮影した写真やダイジェスト動画と組み合わせて、社内コミュニケーションの素材として活用する企業も多いです。
東証に隣接するKABUTO ONE(カブトワン)は、日本橋兜町に位置する複合施設です。エントランスには大型のキューブ型モニターが設置されており、上場を祝う演出として多くの企業が記念撮影に活用しています。
インターグ社の事例のように、東証でのセレモニー前にカブトワンで集合写真を撮る企業もあります。東証内と異なり、カブトワンのスペースは比較的自由に撮影しやすいエリアです。外部カメラマンに依頼する際は東証内とカブトワンの両方を含めた拘束時間と撮影リストを事前に準備しておきましょう。
外部のカメラマンを東証内に入館させるためには、氏名・連絡先・所属(会社名など)を事前に東証へ通知する必要があります。この手続きは当日に対応できるものではなく、数日〜1週間以上の余裕をもって完了させておく必要があります。
カメラマンを上場日直前に決めようとすると、この届出が間に合わなくなるケースがあります。カメラマンの手配は、上場日が確定した段階でできるだけ早く進めておくことをお勧めします。届出の具体的な手順は幹事証券会社を通じて確認してください。

上場セレモニーは進行が速く、シーンの間隔が短いため、どのシーンでカメラマンを活用するかを事前に決めておかないと当日混乱します。依頼するシーンの例として以下が挙げられます。
撮影してほしいシーン・人物・構図のイメージを「撮影リスト」としてまとめ、事前にカメラマンへ共有することで撮り逃しを防げます。東証から届いた式次第をそのまま共有するのが最も効率的です。
共有項目具体的な内容東証への事前届出カメラマンの氏名・連絡先・所属(会社名など)を幹事証券会社経由で東証へ事前通知。上場日確定後、できるだけ早めに手配する式次第東証から届いた式次第をそのまま共有。動線・タイミングのシミュレーションに使う参加者情報打鐘する人の順番・人数、集合写真のメンバー構成、役員の顔写真などパネル・横断幕サイズ・デザイン内容。集合写真の構図に影響する撮影可能エリア幹事証券会社・東証側から得た入場・撮影ルールの確認情報納品形式・用途IRリリース用・社史用・SNS用など用途に応じて必要なサイズや縦横比が異なる
上場セレモニーにはメディアカメラマンが入る場合があります。依頼カメラマンの動線・立ち位置について記者席との干渉を防ぐため、式典主催者・幹事証券会社・取引所側と事前に撮影エリアを確認しておきましょう。上場セレモニーの撮影経験があるカメラマンは東証内のルールを把握していることも多く、依頼時に確認してみることをお勧めします。
上場当日の夕方は上場記念パーティーを開催する企業がほとんどです。社員・取引先・パートナー企業など多くの関係者が集まり、当日の感動を共有する場となります。
セレモニーを撮影したカメラマンにそのまま続けて依頼するケースが多く、上場当日のストーリーを一貫した写真として記録できます。見積もりを依頼する際はパーティーまで含めたスケジュールで相談しましょう。
【経歴】 1987年、広島県生まれ。2006年より報道の現場で活動を開始し、政治・社会・経済ニュースの取材撮影に従事。これまでに1万人以上のタレント・著名人を撮影。2014年10月、ビジネス撮影に特化した写真事務所「deltaphoto」を設立。2017年4月、株式会社デルタクリエイティブとして法人化。現在は、これまでの経験をもとに「ビジネスにおける写真の価値」を再定義し、撮影現場のディレクションおよび品質管理に専念。あわせて、同社プラットフォームを通じて「プロフェッショナルの技術」と「ユーザーの想い」を繋ぐ活動に注力している。
【主な撮影・ディレクション実績】(順不同・敬称略)グーグル合同会社 / 三菱商事株式会社 / ボストン・コンサルティング・グループ / 株式会社NTTドコモ / 東京地下鉄株式会社(東京メトロ) / 日本テレビ放送網株式会社 / 株式会社サイバーエージェント / 株式会社集英社 / 株式会社ソニー・ミュージックレーベルズ / 経済産業省 / 東京大学 / スペイン大使館 ほか多数