
東京証券取引所(東証)の上場セレモニーで鐘を鳴らすのは、企業の今後の繁栄を祈願する「五穀豊穣(ごこくほうじょう)」の意味が込められています。鳴らす回数もこの言葉にちなみ、古くから豊作を表す5つの穀物になぞらえて「5回」と定められています。
新規上場を果たした企業が参加する東証のセレモニー(上場記念式典)において、メインイベントとなるのがVIPテラスでの「打鐘」です。
この鐘は正式には「五穀豊穣の鐘」と呼ばれています。五穀とは、米、麦、粟(あわ)、黍(きび)、豆の5つの穀物を指し、古来日本ではこれらが豊作であることが最大の富と繁栄の象徴でした。上場企業が市場という新しい土壌で豊かな実りを結び、末永く発展していくようにという願いが、この鐘の音には込められています。
打鐘の回数は「5回」と厳格に決まっています。これは前述の「五穀」に由来するものです。
・ 参加できる人数:VIPテラスに登壇できるのは、原則として代表取締役をはじめとする役員や関係者など、企業側が選出した数名から十数名程度です。
・ 鐘を打つ人数:木槌(小槌)は1本であるため、代表者が1人で5回鳴らすケースや、社長、役員、創業メンバーなど5名が交代で1回ずつ鳴らすケースなど、企業によってアレンジが可能です。
日本の打鐘は「上場の祝祭」としての意味合いが強いですが、海外、特にアメリカの証券取引所では鐘(ベル)が持つ歴史的な役割が異なります。
項目東京証券取引所(日本)ニューヨーク証券取引所(米国・NYSE)鐘の名称五穀豊穣の鐘オープニングベル / クロージングベル鳴らすタイミング新規上場時のセレモニー(都度)毎日の取引開始時(午前9時30分)と終了時(午後4時)意味・由来企業の繁栄(五穀豊穣)を祈願するため市場の開場・閉場を市場参加者全員に知らせる合図として鳴らす主体新規上場する企業の代表者など上場企業の代表者、著名人、記念日を迎えた団体など
ニューヨーク証券取引所(NYSE)のベルは、1870年代に電子機器がなかった時代、立ち会い会場の騒音の中でも取引の開始と終了を全ブローカーに知らせるための「実用的な合図」として銅鑼(ゴング)が導入されたのが始まりです。その後1990年代に現在の鐘(ベル)へと変更され、以降も毎日の開場・閉場時に鳴らされています。自社の節目にこのベルを鳴らすことは、世界のビジネスリーダーにとって大変名誉なこととされています。
上場セレモニーでの打鐘は、創業から上場という厳しい審査を乗り越えた経営陣や従業員にとって、これまでの努力への感謝と、これからの未来への決意が交錯する最高の瞬間です。創業当初から支えてくれたすべての人々への感謝、そして株主・社会・市場の期待に応えていくという新たな決意を、鐘の音に込める企業も少なくありません。多くのビジネスメディアで報道されるほか、企業のIR情報やコーポレートサイトの沿革ページなど、自社の歴史を語る上で欠かせない象徴的な1ページとして、未来へ向けて長く記録され続けます。
【経歴】 1987年、広島県生まれ。2006年より報道の現場で活動を開始し、政治・社会・経済ニュースの取材撮影に従事。これまでに1万人以上のタレント・著名人を撮影。2014年10月、ビジネス撮影に特化した写真事務所「deltaphoto」を設立。2017年4月、株式会社デルタクリエイティブとして法人化。現在は、これまでの経験をもとに「ビジネスにおける写真の価値」を再定義し、撮影現場のディレクションおよび品質管理に専念。あわせて、同社プラットフォームを通じて「プロフェッショナルの技術」と「ユーザーの想い」を繋ぐ活動に注力している。
【主な撮影・ディレクション実績】(順不同・敬称略)グーグル合同会社 / 三菱商事株式会社 / ボストン・コンサルティング・グループ / 株式会社NTTドコモ / 東京地下鉄株式会社(東京メトロ) / 日本テレビ放送網株式会社 / 株式会社サイバーエージェント / 株式会社集英社 / 株式会社ソニー・ミュージックレーベルズ / 経済産業省 / 東京大学 / スペイン大使館 ほか多数