
店舗・ショップの写真は、ホームページ・Googleビジネスプロフィール・SNS・各種ポータルサイトなど多くの場面で使われる集客素材です。開業・リニューアル時に一度で多用途の写真を撮りきるためには、事前準備が仕上がりのクオリティを左右します。特にショッピングモール・百貨店などの商業施設(テナント)に入店している場合は、路面店にはない特有の準備が必要です。
「どこで使う、どんな写真が必要か」をカメラマンに伝えることが出発点です。使用媒体によって最適な構図・縦横比・雰囲気が変わるため、依頼時にリストアップしておきましょう。
撮影リストには「絶対に必要な必須カット」と「時間があれば撮りたい追加カット」に優先順位をつけておきましょう。
イオン・ららぽーと・百貨店などの商業施設内でプロのカメラマンが三脚や照明機材(ストロボ)を設置して撮影する場合、施設管理事務所への事前申請が必ず必要です。無断で撮影を行うと施設の規定違反になる可能性があります。
申請の際には「いつ・誰が・どこで・何の目的で撮影するか」を記載した撮影許可書(作業届)を提出し、施設からの許可証を発行してもらいます。カメラマンの名前・所属・使用機材のリストが必要なケースもあるため、事前にカメラマンから情報を取り寄せておきましょう。
施設によっては「撮影できる時間帯が決まっている」「アシスタントは1名まで」「重機を使う際は別途申請が必要」などの条件が設けられている場合もあります。撮影日の2〜3週間前には施設側に確認しておくことをおすすめします。
商業施設のテナント店舗を撮影する場合、外観撮影の際に隣の店舗の看板・ロゴ・商品・価格表示が大きく写り込んでしまうことがあります。他テナントの情報を無断で写真に写してホームページや広告に使用することは、施設のルールに反したりトラブルの原因になります。
カメラマンには「少し引き(広め)に撮って、後から不要な部分をトリミングできるよう余白を残してほしい」と事前に伝えておきましょう。また施設のフロアガイドや公式案内に提出する写真には「自店舗以外の要素が写り込んでいないこと」を条件としているモールがほとんどです。事前に施設側の画像レギュレーション(縦横比・背景のルール・人物の顔の扱い方など)を確認し、カメラマンと共有してください。
お客様が往来する営業時間中に撮影を行うと、他の来客の写り込み・肖像権の問題・店内の整理が難しくなるなど、さまざまな支障が生じます。スッキリとした状態で撮影するためには、開店前・閉店後の専用時間を設けるのが基本です。
ただし、開店前の撮影には注意点があります。商業施設では照明が開店直前まで全部点灯しない場合があり、開店前の時間帯は通常の営業時に比べて照明が暗い状態になることがあります。外観の共用通路照明や店舗照明が完全に点灯するタイミングを事前に施設側・現場担当者に確認してから撮影時間を設定しましょう。カメラマンに補助照明(ストロボ・LEDライト)を持参してもらうことで対応できるケースもあります。
閉店後の撮影も同様に、照明の消灯スケジュールを確認した上でスケジュールを組みましょう。
営業時間中に「賑わいのある状態」を撮影したい場合は、一般の来客の顔にぼかし加工(レタッチ)を入れる費用を見積もりに含めておくか、自社スタッフや知人に「お客様役」として来店してもらう方が確実です。
路面店の場合は商業施設のような許可申請は不要ですが、外観写真の仕上がりは太陽の向きと時間帯に大きく左右されます。
建物の正面ファサードに日差しが当たる時間帯を事前にカメラマンと確認しましょう。「正面が北向きのため日中は常に影が落ちる」「午後は西日が逆光になる」といった条件はカメラマンに事前共有することで、最適な時間帯を提案してもらえます。天候に左右されるため、雨天時の予備日(第2・第3候補日)も事前に決めておきましょう。
プロのカメラは解像度が高く、普段気にならない汚れ・乱れ・不要なものが写真に鮮明に写り込みます。撮影前日までに以下の点を整えておきましょう。
商品棚に「歯抜け(空き)」があると写真では非常に寂しく見えます。撮影時は在庫を前出しして棚をボリューム感のある状態にしてください。レジ周りのケーブル・段ボール・台車・スタッフの私物・ブランドイメージに合わない割引POPなどはバックヤードに片付けます。値札・セールPOPなど撮影に映り込んでほしくないものも事前に確認してリストアップしておきましょう。
【経歴】 1987年、広島県生まれ。2006年より報道の現場で活動を開始し、政治・社会・経済ニュースの取材撮影に従事。これまでに1万人以上のタレント・著名人を撮影。2014年10月、ビジネス撮影に特化した写真事務所「deltaphoto」を設立。2017年4月、株式会社デルタクリエイティブとして法人化。現在は、これまでの経験をもとに「ビジネスにおける写真の価値」を再定義し、撮影現場のディレクションおよび品質管理に専念。あわせて、同社プラットフォームを通じて「プロフェッショナルの技術」と「ユーザーの想い」を繋ぐ活動に注力している。
【主な撮影・ディレクション実績】(順不同・敬称略)グーグル合同会社 / 三菱商事株式会社 / ボストン・コンサルティング・グループ / 株式会社NTTドコモ / 東京地下鉄株式会社(東京メトロ) / 日本テレビ放送網株式会社 / 株式会社サイバーエージェント / 株式会社集英社 / 株式会社ソニー・ミュージックレーベルズ / 経済産業省 / 東京大学 / スペイン大使館 ほか多数